脳の休養
時々、都会の電車に乗ることがあります。あまり混んでいない車両だと、つい周りを見回してしまいます。この前など、僕以外の乗客が全員スマホを見ていました。失礼とは思いながら、隣の人のスマホに目をやると「ゲーム」、別の人は「SNS」。
福井でも似たような光景はありませんか。スマホを眺めながら横断歩道を渡る人。レストランで注文が終わった瞬間にスマホに手をやる人。せっかく誰かと一緒にいるのに、画面の方に意識が向いてしまう。
ネットの情報量は恐ろしく多く、「スマホで1日に消費する情報量は、江戸時代の一年分に相当する」そんな話もあります。何気ない暇つぶしのつもりでも、脳は常に情報処理を続けていて、実はかなり疲労しています。その状態が続くことは、メンタルヘルスにとっては過酷です。
私は診療で「寝て·食べて·動くこと」が生活の基本だとお話ししていますが、もう一つ大事なのが「脳の休養=ぼーっとすること」です。何気なく外を眺めたり、草花を見たり、呼吸に集中しながらストレッチをしたり。こうした“ゆるむ時間”が、脳の休息になります。
そしてもう一つ、脳にとってとても良い休養になるものがあります。それが 目の前にいる人との会話 です。
会話には、・表情を見る・声のトーンを感じる・相手の気持ちを想像する…こうした「ゆっくりした情報」が含まれています。スマホのように高速で流れ込む情報ではなく、脳が自然と弛む情報です。家庭の中でも、料理について話したり、子どもに今日の様子を聞いたりする。そんな、ほんの短い会話でも、脳はふっと緩みます。
意識して、脳の休養をとってみませんか。
スマホを置いて、ほんの数秒だけ“ゆるむ時間”をつくり、身近な人との会話を楽しむ。
それだけでも、心の余裕は少し戻ってきます。
